還元水塗装前処理装置

地球環境を配慮した塗装前処理装置

還元水ブラストの画像

シンナーを使わないが錆びない・還元水ブラストを活用した新たな手法

環境保護に対しての世間的な関心の高まりや法整備を鑑み、弊社は15年ほど前からCSR活動の一環として環境事業を開始しました。
当初は生ごみや調味料廃液等の処理装置開発を手がけ、平成16年度より常石造船と共同でサンドブラスト工法の代替として高圧還元水ブラスト工法に着手。還元水生成装置の開発を行いました。
当初は船舶の修繕工事用に開発した装置でしたが、この装置により洗剤等を使用せずにガラスや壁面等の洗浄が可能であると判明し現在新たな使用方法を検討中です。

高圧還元水ブラスト工法に関して

船舶の塗装の塗り替え工事の際、塗装を落とすために砂を吹き付けるサンドブラストが従来は行われていましたが、生じる廃棄物の処理や煤塵といった環境問題が浮上し、代替手段が求められることとなりました。
米国で行われている高圧水ブラストは戻り錆が生じてしまうという問題があり、日本では普及が進みませんでした。そのため、戻り錆が発生しないアルカリ還元水を使用してブラスト工事を行うことを考案。 高圧還元水ブラスト工法は当初はあまり普及しませんでしたが、現在では三菱重工長崎造船所で行われる上五島備蓄船の修繕工事等、全国の造船所で使われています。

還元水生成装置に関して

還元水生成装置とは、隔膜式電気分解によって陰極室から生じるアルカリ還元水を供給するための装置です。
水道水を電気分解し、高圧還元水ブラストの特許要件を満たすpH値と酸化還元電位のアルカリ還元水を生成します。 プロトタイプにおいては電解質を水道水に添加する方式でしたが、水道水を電気分解することで十分なアルカリ性と還元性が得られることが判明したため、水道水をそのまま電気分解することとしました。経験上、使用した還元水をすぐに乾燥させれば2週間程度鋼鉄表面の錆の発生が極端に抑制されます。 鉄を腐食させる赤錆は鉄の酸化物(Fe2O3)であり、還元性条件下ではほぼ発生しません。また、時間経過によりやや酸化性に電位が上がっても、アルカリ性条件下では鉄表面に形成される不動態皮膜が、内部への酸素侵入を防ぎます。
現在高圧還元水ブラスト以外の使用方法を検討中であり、自社工場内の塗装前脱脂工程でシンナーによる拭き取り作業の代替手段として還元水による洗浄装置を導入中です。また、過去に窓ガラス等を還元水で洗浄した実績があり、新たな活用方法として今後需要が見込まれる太陽光パネルの洗浄を検討中です。

洗浄実績

洗浄前
洗浄前
洗浄後
洗浄後